本日の「怒」090722/衆議院解散/まずは各紙の社説眺めから
「解散をやるやる」と言い続けた「オオカミ首相」が、最後の最後に筋を通してくれました(笑)。当ブログで危惧していた日本を滅亡に導く「石原首相、橋下幹事長、東国原総務大臣」の組み合わせでの自民党の起死回生策が実現しなかったことで、ほんの少しほっとしています。この解散自体は「破れかぶれ解散」「自民党解散」「万歳突撃解散」などとさまざまにネーミングされていますが、産経、読売両紙の危機感は相当なものです。
実は、私は各種報道で言われているほど根本的な自民党の敗北はないのではないかと思っています。報道されている情勢などをいろいろ眺めていると、「北海道は自民全敗、東京は4勝止まり」などという劇的な記事が溢れています。ですが、仮に民主党が300議席近くを獲得したとしても、「自民党的なもの」を完全に排除することはできないでしょう。そのあたりも、少しずつ書いていこうと思います。
さて、まずは、あまりのずっこけぶりに当ブログでもたびたび取り上げている産経社説。「格差社会、年金や医療など、現在や将来に対する不安、経済危機など小さい小さい。まず争点にすべきは日本の国家観の構築、そして防衛である!!」と意気軒昂に見えますが、国民の視点をぼかすのに必死になっているその中身には、バカバカしさを通り越して哀愁すら感じます。さすがに「人の前に国家あり」を根本とする「ウヨ」の姿を現していると言えましょう。
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【主張】衆院解散 国のありよう競い合え 政権担当能力が判断の基準
2009.7.22 02:54
衆院が解散され、総選挙が来月30日に行われる。これからの日本の針路を決める歴史的な意味合いを持つ選挙だ。各党は、日本丸のかじ取りをこうするという青写真をマニフェスト(政権公約)などで具体的かつ早急に国民に明示しなくてはならない。
争点にすべきは、日本の基軸をどうするかである。例えば、北朝鮮の核や弾道ミサイルの脅威に加え、中国の軍事力の強大化に日本はどう向き合うのかという問題がある。日米同盟関係を弱める選択をすることで日本の安全は守られるのかどうか。消費税などの負担の問題も避けていては年金などの難題は打開できない。
問われているのは日本の国のありようであり、内政外交の懸案や難題をどう解決するのかという処方箋(せん)である。「政権交代」気分に浸っている余裕はない。政権担当能力の競い合いを通じ、日本の国家像を提示することこそが求められている。
解散後の記者会見で、麻生太郎首相は「日本の未来に責任を持てる政党」の選択を有権者に呼びかけた。しかし、自民党がそれに値すると思わせる構想力を示してきたのか。4年前、小泉純一郎首相(当時)の「郵政解散」で、自民党は郵政民営化への賛否をめぐって分裂したが、小泉氏は反対派の選挙区に対抗馬を立てて民営化を鋭く争点化した。
≪この国をどう守るか≫
「麻生降ろし」をめぐる混乱は東京都議選などにも悪影響を与えたが、麻生首相も反麻生勢力も、郵政民営化に匹敵するテーマは持ち合わせていない。自民党の最大の問題点がそこにある。
外交・安全保障をめぐる民主党の国会対応は現実に日米同盟を損なってきた。インド洋で海上自衛隊が給油支援を行うテロとの戦いでは、民主党がテロ対策特別措置法に反対したため一時中断した。在日米軍駐留経費の日本側負担に関する特別協定にも反対し、空白期間が生じたこともあった。鳩山由紀夫代表は「すぐにやめるのは無謀な議論」と、政権交代後も給油支援を継続する考えを示したが、小手先の対応にすぎないといえる。来年1月に期限切れとなるテロ対策特措法の延長措置をこの秋に取らなければ、いつまた撤退するかわからないからだ。共に参加する各国に対しても、極めて不誠実な対応となる。
沖縄の米軍普天間飛行場の県外移設の主張も、県外のどこに移すかを言わなければ現実の政策といえない。ごく最近も、国連安保理決議を受けた北朝鮮船舶に対する貨物検査特措法案の早期成立に協力しなかった。
民主党の外交・安保政策の危うさを首相や自民党が突くのはもっともだ。だが、中国の軍事力強大化に対し、日本の防衛力を削減してきた一義的な責任は自民党政権にある。民主党にはその問題意識すら薄いようだ。この国をどう守るかという議論をさらに深めることは両党の責務である。
≪増税論議を避けるな≫
年金、医療、介護や少子化対策などの社会保障は、国民生活に直結する。不安の解消と将来の安心感を高めるものとして自民、民主両党とも柱としている。
民主党はとくに年金制度改革の必要性を主張していたが、マニフェストでは公的年金の一元化による新年金制度の実施時期を、当初予定していた平成24年度から26年度以降へと先送りするという。
無年金・低年金者救済のため創設する「最低保障年金」の財源には消費税の全額を充てるが、消費税率は4年間引き上げないという。自民党は景気回復を前提に、消費税を含む税制抜本改革を3年後に行うとしているが、どれだけマニフェストで徹底できるかだ。選挙には不利だとして増税論議を避けることは、もはや両党ともに許されない。
民主党の教育政策を危惧(きぐ)する声は多い。輿石東参院議員会長が「教育の政治的中立はあり得ない」などと、日の丸、君が代問題などにみられる日本教職員組合(日教組)のイデオロギー闘争をさらに教育現場に持ち込むような発言を繰り返しているためだ。同氏の発言は党内でほとんど問題視されておらず、支持労組のイデオロギーには目をつぶる民主党の体質をうかがわせていないか。
この国に責任を負う二大政党が身を切るような激しい政策論争をまず行うべきだ。国政の停滞を脱し、閉塞(へいそく)感を除去する政治体制は真剣かつ現実的な論争を経て、誕生するのではないか。
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これに対し、さすがに読売は現実的です。丁寧に自民、公明両党の主張をそのままなぞっています。最後に「やっぱり自民党」と念を押すところなど、さすがの貫禄です。
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衆院が21日、解散された。衆院選の日程は、8月18日公示、30日投開票だ。自民、公明両党の現政権の継続か、民主党を中心とする新政権の誕生か。これが最大の焦点になる。
しかし、単に政権の争奪だけに目を奪われてはなるまい。
「政権交代」の是非の前に、各政党が掲げる主要政策とその実行能力が問われている。
投開票までは40日間という長丁場だ。有権者はその間、各党の政策を十分吟味してもらいたい。
◆政治の安定をどう築く◆
衆院選を前にした各種世論調査では、民主党の支持率が自民党を上回るなど、民主党優位が伝えられている。
民主党の鳩山代表は「第1党で政権交代」を目標に掲げている。民主党は、衆院で過半数を制しても、参院で単独過半数を確保していないため、社民党や国民新党と連立政権を組むという。
これで安定した政治を行うことができるのかどうか。
一方、自民、公明の与党はこれまで、衆院の3分の2以上の多数による再可決で、「ねじれ国会」をしのいできた。今回の選挙で、これだけの議席を確保することは不可能だろう。
いずれにしても、衆参両院による意思決定をいかに円滑に進めるかという難題が、政治に突きつけられることになる。
◆明確な国家像を示せ◆
今、多くの国民は、不況に苦しみ、少子高齢化社会への不安を募らせている。対外的には、軍事大国化する中国や核武装を急ぐ北朝鮮など、我が国周辺の安全保障環境の悪化を懸念している。
各党は、国民の不安解消に向けた処方箋(せん)を示す必要がある。
今回も、政権公約(マニフェスト)が注目されている。
確かに、政権公約で政策の達成期限や数値目標を示すのはいい。だが、より重要なのは、日本をどのような国にしていくのかという「国家像」の提示である。
鳩山代表は、21日の両院議員総会で、「明治維新以来の官僚主導政治」からの転換を強調した。
だが、「政治主導」を実践するといっても、官僚を説得して動かすだけの政治力が伴わなければ、混乱するだけだろう。
民主党は、政権公約に「子ども手当」やガソリン税などの暫定税率廃止、高速道路の原則無料化などの政策を盛るとしている。
◆政策に財源の裏付けを◆
だが、無駄遣いの排除などで、これらの財源を捻出(ねんしゅつ)できるのか、はなはだ疑問だ。
岡田幹事長は「財源なくして政策なし」と語っている。民主党は、財源を明示し、国民の合点が行く政権公約を作り上げるべきだ。
政権公約は、各党とも有権者の歓心を買うものになりがちだ。だが、そのツケはいずれ有権者に回る。大衆迎合的な公約を競うことは、避けなければならない。
民主党は、インド洋での海上自衛隊による給油活動など国際平和協力活動に反対姿勢を示してきた。ただ、最近になって、鳩山代表は、給油活動を当面、継続する考えを表明した。
政権交代を視野に入れ、外交の継続性から現実的方向に政策転換するのは当然のことだ。
だが、社民党の福島党首は反発した。基本政策で隔たりがある社民党との連立政権は、極めて難しい運営を迫られるだろう。
一方、自民党は、政権公約作りが遅れている。党内の混乱と政策上の路線対立からだ。一部に、独自の公約を掲げて選挙を戦う動きもくすぶっている。
麻生首相は、21日の両院議員懇談会で、自らの失言や政策をめぐる発言のぶれについて、反省の意を表明し、東京都議選など地方選の連敗についても、陳謝した。
遅すぎる。政策のぶれに関して謝るべき相手は、誰よりも国民であることを忘れてはなるまい。
自民党にとっても、肝心なのは政策だ。世界同時不況の下で、政府・与党が打ち出した矢継ぎ早の経済対策の検証が重要である。
首相は、衆院解散を決定した閣議で、「安心で活力ある社会を実現しなければならない」と決意を表明した。
◆「責任政党」が試される◆
「責任政党」を標榜(ひょうぼう)するなら、消費税率引き上げなどについて、明確な方針を打ち出すことが必要だ。「4年間は消費増税しない」としている民主党との対立軸の一つになるだろう。
各党は、事実上の選挙戦に入った。年金、医療など社会保障や、新たな日米関係をはじめ、対北朝鮮など安全保障問題についても、政策論を戦わせてほしい。
自民、民主両党のどちらに「政権担当能力」があるかは、そこから自(おの)ずと見えてくるはずだ。
(2009年7月22日01時29分 読売新聞)
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読売、産経両紙や自民、公明両党が盛んに言う「政権担当能力」「責任政党」については、次のエントリーでしっかり斬りつけるつもりですが、それにしても「何が何でも自民党」というこの両紙の社説を読むと、営々として築き上げられた権力/利権、体制維持装置のつながりの強さを感じます。
これに対して、最近、当ブログで評価の高い(笑)東京新聞の社説を見てみましょう。
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衆院が解散され8・30決戦へ事実上の選挙戦に入った。四代の自公政権の実績が問われる。国民にチェンジを求める声がある。焦点は政権交代か否かだ。
気のせいだろうか。自民党席は半ばやけ気味、民主党側は笑みのこぼれる「万歳」に映った。
戦後初の真夏の八月総選挙へ、候補者たちは全国へ散った。
自民総裁の麻生太郎首相は党会合で、混乱を極めた自らの政権運営を謝罪。決戦前に辛うじて「一致団結」を演出した。民主の鳩山由紀夫代表は「革命的な総選挙だ」と決意表明した。
政権交代が現実味を帯びている。「歴史的決戦」と銘打たれるゆえんかもしれない。
小選挙区制度の「必然」
前回二〇〇五年総選挙では、郵政民営化を唯一の争点にした小泉政権の劇場型手法が奏功し、自民は公明党も合わせて衆院勢力三分の二を超える圧勝を果たした。
あれから四年。各種世論調査では、比例代表の投票予定先で、民主が自民を大差で圧倒する、かつてない現象が起きている。
自公政治への忌避の空気に「政権交代」の旗を掲げる民主が後押しされる格好だ。郵政選挙から攻守ところを変えたといえる。
追い風を受けると、思いも寄らない地滑り的勝利をもたらす。オセロ風ゲームのように。それが一人の当選者を決める小選挙区制の醍醐味(だいごみ)であり、怖さでもある。
一九九六年に小選挙区比例代表並立制の総選挙が導入されて十三年。前回の自民圧勝劇と同様の結果が続いて起きるとしたら、それは制度がもたらす「必然」とも言えるのではないだろうか。
長年政権の座にあった自民にすれば信じ難い展開に違いない。閣僚が発した「最悪のタイミング」との声が深刻度を如実に示す。
争点は山のようにある
「政権交代」の四文字が全国の選挙区で浸透しているのは、否定のしようがない。ただ、政権の選択は政策の選択でもあることを確認したい。争点は山ほどある。
時代の転換点を思わせる荒波がいや応なく押し寄せている。
加速が止まらない少子高齢化と光の見えぬ雇用情勢。外にはオバマ米政権誕生後の世界新秩序づくりの胎動。地球温暖化対策も喫緊の課題だ。
どのような時代認識に立ち、どんな処方せんを講じるのか、各党はマニフェスト(政権公約)で明確に打ち出すべきだ。その答えは私たちが暮らす将来の国のかたちを示すことになるだろう。
要は予算配分のあり方を変えるかどうかが争点なのだ。
年金、医療、介護の社会保障政策や景気対策、格差是正などに世論の関心が高い。
経済一本に絞ってきたという麻生自民は「安心と活力のある社会」づくりを掲げる。民主は「国民の生活が第一」と子ども手当や高速道路無料化を打ち出す。
選挙目当てのバラマキならば、有権者に見透かされよう。
自民は景気回復後に消費増税するという。党内には異論もある。合意事項なのか。バラバラの公約で有権者を欺くなら論外である。
民主は税金の無駄遣い削減などで約十七兆円の財源を生み出すという。優先順位のつけ方次第で、しわ寄せが及ぶ分野も出よう。厳しい財政事情の下、四年間消費増税しないとの方針に裏付けはあるか。丁寧な説明が欠かせない。
安保外交政策では、民主首脳は対米関係に配慮して、インド洋での自衛隊給油活動について即時撤収せず、当面は継続する、と軌道修正を示唆している。自衛隊海外派遣問題では社民党との関係も懸念材料だ。
政権が近づけば現実路線へ傾斜する民主へ厳しい視線が注がれる。「政権党」の宿命でもある。
何より、民主は政権を担当する力量があるのか、自民とどこが違うのか、有権者の不安や疑問を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。脱・官僚主導の政権構想もいまひとつ伝わらない。明確な青写真が必要だ。
自民にしても、迷走続きの惨状が政権担当能力を疑わせた。弱体化する党の基盤をどう立て直すのか。あわせて小泉、安倍、福田、麻生と四代続いた「世襲政治家」政権の総括を、いいかげんに済ませてはなるまい。
公明は低迷する自民との距離感に悩んでいる。共産、社民、国民新などの野党は存在感をどうアピールするかが課題となる。
マニフェスト早く示せ
政権選択の選挙戦は、お盆休みを挟んでの、四十日間の異例の長期戦となる。
間延び感に流されず、全政党の政策をじっくり吟味したい。マニフェストを早急にまとめて判断材料を提示するよう政権を争う自民、民主に求める。歴史的一票を投じる有権者が待ち望んでいる。
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本来、結果的に、ジャーナリズムは「行き過ぎを是正する」力を持つものです。ですから、時の権力者に対してより厳しくなるのは当たり前のこと。そうでなければ、存在価値がないのです。「日本にはまともなジャーナリズムがない」というのが私の見解ですが、こうした社説の姿勢を、仮に民主党が政権を取ったあとでも維持できれば、「木鐸」としての役割を果たすことができるでしょう。
最後に毎日です。うーん、情緒的だ(苦笑)
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社説:衆院解散 総選挙へ=政権交代が最大の焦点だ
衆院が21日解散された。衆院選は8月18日に公示され、同30日に投開票される。民主党を中心とする政権に交代させるのか、それでも今の自民・公明政権が続いた方がいいと考えるのか。有権者の選択が最大の焦点となる。戦後政治の大きな転換点となる選挙戦が事実上始まった。
「昨秋解散しておけばよかった」と麻生太郎首相は後悔しているはずだ。毎日新聞の世論調査(18、19日)によると麻生内閣の支持率は17%で前月より2ポイント下落。自民党の支持率は18%で36%の民主党に大きく引き離されている。有権者の間には「一度政権を交代させてみたら」というチェンジ志向が確実に広がっていると見ないわけにはいかない。
◇結束にほど遠い自民
衆院本会議に先立ち開かれた自民党の両院議員懇談会で麻生首相は「私の発言や『ぶれた』と言われる言葉が国民に政治への不安や不信を与え、自民党の支持率低下につながったと深く反省している」と語り、記者会見でも自身の「不用意な発言」や自民党の結束の乱れを挙げて国民にも陳謝した。しかし党内は結束とはほど遠い状態で、首相が陳謝しないと収まらないところに今の追い詰められた姿が表れている。
圧勝した05年の衆院選から4年。なぜ、こんな事態に陥ったのか。
郵政民営化のみを争点に掲げ、造反者の選挙区には「刺客」候補を送って注目された前回は、報道のあり方を含め確かに問題は多かった。ただ、反対を押しのけて進もうとする当時の小泉純一郎首相に多くの有権者が「政治が変わるのでは」と期待したのは事実だろう。
ところが政治はさして変わらなかった。小泉氏は格差問題など「小泉改革の影」が表面化する中で改革の後始末をしないまま退陣。続く安倍晋三元首相は郵政造反議員を続々と復党させた。
迷走はここに始まる。小泉改革路線を進めるのか、転換するのか。自民党は今に至るまできちんと総括してこなかった。そして国民に信を問うことなく次々と首相が交代し、場当たり的な対応をしてきたことが、現在の党内混乱の要因でもある。
安倍氏は憲法改正路線に軸足を置いた。だが、その間に国民の暮らしに直結する「消えた年金」問題が深刻さを増して、07年7月の参院選で自民党は惨敗。その後、体調不良で突如辞任した。福田康夫前首相も1年で政権を投げ出した。そして、経済危機を理由に解散から逃げてきた麻生首相が今、低支持率にあえいでいる。漢字の誤読もあって「首相の資質」まで問われる有り様だ。
だが、「人気がありそうだ」と首相を交代させ、その後は選んだ責任を忘れ支えようとしない自民党そのものに多くの国民は「本当に政権担当能力があるのか」と疑問を感じ始めているのではないか。今回の「麻生降ろし」に国民の支持が広がらなかったのはそのためだと思われる。
◇民主に問われるもの
一方の民主党も政権担当能力と鳩山由紀夫代表の首相候補としての資質が当然問われることになる。
「政治主導」をお題目に終わらせず、強固な官僚組織を変えられるのか。税金の無駄遣いをどこまで削れるか。子ども手当や高速道路無料化、年金制度の抜本改革は実現するのか。消費税率は4年間引き上げないというが、財源の手当てはできるのか。党としての統一感に乏しい安全保障政策はどうするのか。それらの疑問に具体的に応えるのがマニフェストだ。鳩山氏の政治資金問題もさらなる説明が必要となる。
自民、公明両党はこれまでの実績を強調するだろう。だが、消費税率引き上げに関し、どこまで具体的に書き込むのかなどの課題が残る。自民党には反麻生勢力が独自のマニフェストを作る動きがあるが、これは政権公約とは言わないと重ねて指摘しておく。共産党や社民党、国民新党、新党日本、今後できるかもしれない新党も含め、大切なのはこの国をどんな形にするのかだ。未来に向けたビジョンを示してもらいたい。有権者の目は一段と厳しくなっている。何よりごまかさず、正々堂々と政策論争を戦わせることだ。それがむしろ支持を集める時代なのだ。
自民党は93~94年の細川護熙、羽田孜内閣時代に一度野党に転落した。しかし、引き金になったのは自民党の分裂であり、93年7月の衆院選は非自民各党が「細川氏を首相に担ぐ連立政権を目指す」と有権者に公約して選挙を戦ったわけではない。つまり55年体制ができて以降、私たちは衆院選で有権者が投票によって選ぶという形では、政権与党と首相を交代させた経験がないのだ。
そんな選択に初めてなるのかどうか。異例の長い選挙戦となるが、いずれにしても政治の行く道を決めるのは有権者=主権者だ。こんなにわくわくする選挙はないではないか。
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さて、しばらくは選挙の話題になりそうです。


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