本日の「怒」081215/これが景気対策?? 与党税制大綱のばかばかしさ
去る12日、自民・公明両党は09年度の税制大綱を決めました。「景気対策のため」と称して減税のオンパレードですが、いったいこれのどこが景気対策になるのか、さっぱりわからないしろものです。民主党が高速道路の無料化や農家への所得保障(これにはこれで問題があります)を言い出した時には「ばらまきだ」と言って批判の嵐でしたが、でてきたものは「官僚が采配を振ることができる体制をしっかり維持した、財源なき、そして効果なきバラマキ」です。少し細かく検証してみましょう。
1)住宅および土地税制
減税の最大の目玉がこれです。08年12月に終了する住宅ローン減税を、額を大幅に拡大して延長することが目的です。現行の減税は、ローンが残っている場合に所得税から最大160万を減税する、というものですが、これを10年間で最大600万まで拡大するものです。現在額が所得税額を上回った場合、住民税からも年間約10万円の減税を行ないます。これは、「所得税額が低い層にも配慮した」ということのようですが、実は昨年度からの税制改革で以前より所得税が減り住民税が増え、さらに住民税を元に算出される各種の保険も引き上げられていますから、結果的には「元に戻った」だけのものでしょう。
この減税に対しては、すでにそのからくりを書きました。この減税、住宅ローンが多ければ多いほど減税額が増えますが、現在の経済状況で銀行はローンや貸し出しに慎重になっており、よほどの年収がないと恩恵は受けられません。ざっと計算すると、5000万以上のローン、年収にして2000万以上の層にしか「関係がない」のです。こんなローンを組める人は(特に現状の経済状況では)わずかな富裕層に限られます。それよりも、今必要なのは、「住宅を手放さなければならなくなる層への援助」なのです。特に、日本版サブプライムローンとも言うべき「ゆとり返済」のワナにはまったローンを抱えている人たちは、来年からさらに返済利率がアップします(2%から4%になる、など)。こうした層が、この不況下でローン破綻を向かえることは明らかです。仮にこうしたローンを利用している層の2割が破綻すれば、5万戸以上の中古住宅が「競売」や「任意売却」で市場に放出されます。中古住宅市場の軟化は、売却を控えた層を直撃し、新規の住宅市場を冷やすことにもつながります。こうした状況を放っておいて、富裕層向けの減税を「目玉」にすることが、自民党と公明党がどこを向いた政策をとっているかを象徴しています。
「目玉」がこれですから、以下の減税も酷いものばかりです。
2)低公害車向けの自動車取得税・従量税の軽減/免除
環境のためにはいいことだと思いますが、対象となるのが電気自動車とハイブリッド車です。1台3000万と言われる電気自動車はともかく、この経済状態でプリウスを買える人はどんな人たちなんだろう、と思わざるを得ません。
3)資本金1億円以下の中小企業の法人税減税
年間所得(売り上げから経費を引いたもの)800万以下の部分には、現在22%の軽減税率が適用されていますが、来年度からの2年間はこれが18%になります。しかし、中小企業の7割近くはそもそも赤字か法人税を払っていませんので、「困っているところほど関係ない」減税です。
4)海外子会社からの利益移転に対する減税
海外子会社から国内の企業が配当を受け取る場合、現在は現地での法人税と国内の法人税の差額分が徴収されています。これが非課税になるわけです。輸出にさらに依存し国内の産業を後回しにする、とてもすばらしい減税です。
5)証券優遇税制の延長
これは、麻生首相が就任直後から主張していたことです。株式の配当や譲渡益が100万円を超える層には、大変ありがたいものです。ちなみに、これだけ企業業績が悪化して配当が下がれば、配当でこれだけ「稼ぐ」ためにはいくら必要なのか想像がつきません。9月の時点では、いくつかの有名企業で計算したら、概ね額面5000万ほど必要でした。トヨタ株なら時価2億5千万くらいになりましょうか。
6)政治活動に対する寄付金控除の特例を5年間延長
せっせと自民党に献金して下さい。税金が減ります。
7)整備新幹線と並行する在来線の固定資産税に対する特別処置の延長
だから、新幹線をもっと早く整備すべきなのです。
8)生命保険と介護/医療保険の控除について4万円の別枠を創設
ありました!!私のような所得でも関係がありそうな減税です!!これは、今年から増えた健康保険と介護保険の増加分がまかなえるかもしれません。いや、ありがたい低額給付金を足せば、ややおつりかな。
さてみなさん、この減税案、どうおもわれますか?


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