(4)年金・医療
16)年金記録被害者への迅速な補償のため、一定の基準の下で、「一括補償」を実施する
17)年金保険料の流用を禁止する
18)一元化で公平な年金制度へ
19)年金受給者の税負担を軽減する
20)歳入庁を創設する
21)後期高齢者医療制度を廃止し、国民皆保険を守る
22)医療崩壊を食い止め、国民に質の高い医療サービスを提供する
23)新型インフルエンザ等への万全の対策、がん・肝炎対策の拡充
24)被爆者を援護する
25)介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる
26)「障害者自立支援法」を廃止して、障がい者福祉制度を抜本的に見直す
● 年金制度について
年金制度については、その主要な議論が「失われた年金」「社会保険庁のいい加減ぶり」というところに矮小化されてしまっていることに大きな危惧を感じてきました。年金制度についての根本的な問題は、以下の通りだと考えています。
① 国民年金の給付水準の低さ
40年間保険料を納めても6万円台、25年なら4万円台というのが国民保険の給付額です。この給付額では、リタイアした後も働くか、貯蓄をしておいてそれを取り崩して生活をするか、どちらかでないと生活ができないことを意味します。大企業に勤めている方ならそれなりの年金給付額になりますが、自営業や自由業、中小企業で充分な企業年金をかけられないところなどでは、働けなくなるまで働いてもその後の生活は全く保証されていません。当然、ひとりひとりが老後の生活のための準備をするしかないのですが、それが貯蓄率の高さを生んできた大きな要因のひとつです。
いわゆる「ロストジェネレーション」以下の世代の人たちにとっては、問題は更に深刻です。安定した年金を受け取れる企業に勤められる比率が下がり、貯蓄する余裕など全くない所得で暮らさねばならない人が多いのです。もちろん、年金保険料を納めることができない人も増えています。
「どうせ払っても生活ができる給付はもらえない」年金では、保険料を納付する意欲がなくなっても仕方がないでしょう。
② 年金制度そのものに対する不安
そんな給付水準の年金制度しかないにもかかわらず、給付開始年齢はどんどん引き上げられ、保険料は値上がりが続きました。いわば「国家的詐欺」が延々と続いてきたのです。
私も、10年以上国民年金を納めていない時期がありました。年金の給付開始年齢が引き上げられ保険料が値上がりしたときに、社保庁の職員に「これからきちんと保険料を納めれば、給付年齢がきたら現在の予定額がきちんと支払われるという確証がほしい」と文書で要求したら、なんと保険料を取りにこなくなったのです。当時はまだ社保庁のでたらめぶりが明らかになる前でしたが、要するに「面倒なところにはいかない」ということだったのでしょう。その後10年ほど立ってから、突然「払わないと差し押さえをする」というお手紙をいただきました。同様の事例は他にも聞いています。これが、社保庁の「あたりまえのやりかた」だったのです。
③ 年金制度の不平等
公務員の年金には俗にいわれている「三階建て」の部分(職域加算)があります。厚生年金にはないこの部分が「公務員の過度の優遇」とされ、3年後にはなくなる予定です。議員年金に至っては、市議、県議、国会議員を10年ずつ勤めて、(普通の勤め人より遥かに高い年金を)3倍得られる議員もいます。こうした事実が、年金制度そのものに対する不平等感、不信感を高めたことは言うまでもありません。
また年金制度には、世代間の圧倒的な不平等があります。現在の年金受給者は保険料の6~7倍の給付を受けることができますが、現在40歳の人は2~3倍の給付しか受けられません。もちろん、現役時代の収入と年金を比較した比率も下がる一方です。
④ このままだと破綻することは明白であるのにそれを隠してきたこと/年金行政に対する不信
これは政治の問題です。官僚が誤魔化し方を考案しそれを政治家が広める、という方法で、長い間国民は年金(や医療保険)の実態を隠されてきました。いよいよ誤魔化しきれなくなっても、「100年安心」などという全く根拠のないPRや、モデルケースを「敢えて選んで」年金の給付額が維持できるような「嘘」をばらまいてきました。こうした根本的な「ごまかし」に加えて、社保庁の不祥事が不信を更に大きくしたことはあきらかでしょう。
年金制度に手を付けるのであれば、現状のこのような問題点が解消されることがどうしても必要です。民主党のマニュフェストを見てみると、
・年金制度の一元化
・「所得に応じた負担」と「所得比例年金」の創設
・月額7万円の「最低保障年金」の創設
が謳われています。基本的にはこの方針は誤っていないと思います。しかし、不十分です。それは大まかに言えば次の2点について、「何を目的としているのか」が見えないことが根本的な原因です。より詳しいとされる政策集を読んでも、マニュフェストの項目を「説明」したぐらいで、明確に見えて来ないところがあります。
・月額7万円の意味
・所得に応じた負担とそれに比例する年金の果たす役割
民主党の政策をそのまま理解すれば、全ての国民に最低月額7万円の年金を(消費税であろうと他の税であろうと)税金(国家予算)から支出し、それに加えた2階建て部分として納めた年金保険料に応じた年金を支払う、という構造になります。もちろん、月額7万円は(現行とほとんど変わらない)生活を維持するためには不十分です。つまり、「所得比例年金」にどれだけはらえば生活を維持できる水準になるのか、ということがまず問題になります。
そこで「二階建て部分」の性格について考えてみます。
所得比例年金に対して国費の補填があるとすれば、現在の国民年金基金と同様の仕組みになるのではないかと思います。問題は、企業が半分負担している厚生年金保険料がどこへ行くのか、ということがひとつ。これは、企業会計などとも関係してきますので、かなり複雑な作業が必要になります。
二階建て部分をどのように負担するのか、という問題も明確にする必要があります。これまで安定した厚生年金制度の中にいなかった人にとっては、何が変わるのか、変わらないのかが明確ではありません。
不平等をなくす、という点については(実現できれば)非常に効果がある政策だとはおもいますが、「年金は老後の生活を保障する」ものなのか、それとも「老後の生活の足しにする」ものなのかという、最も基本的なところを明確にする必要があると思います。
また世代間の不公平は、すでに年金制度だけでは解決できないレヴェルに達しています。現在の受給者と同じ水準の給付を現役時代に支払うことなどとてもできないからです。この点は、他の政策とも併用して解決する必要があります。
世代間の所得移転を標準化する政策の一例を挙げれば、一定以上の財産に対する相続税を大幅に上げることです。また、一定以上の預金や配当に対して配当課税などの特別扱いを止めるなどの方法も有効でしょう。こうした政策を組み合せて、格差を是正することが必要だと思います。
● 医療について
別々に議論できるものではありませんが、医療については3つの面からの充分な検討が必要です。
① 医療制度そのものの問題(介護保険も含む)
② 医療の崩壊に対処するための方策
③ 患者、クライアントと医療機関、医者との関係の再構築
「姥捨て山制度」と非難が集中した「後期高齢者医療制度」ですが、現在の医療保険制度が完全に行き詰まっている以上、何らかの対策が必要であることは明らかです。そして、医療保険制度の行き詰まりが「節約志向」に結びついて医療の崩壊を引き起こしているという側面も無視できません。それらを総合的に勘案して、医療制度のあり方を考える必要があります。
また、医者と患者の関係についても考える必要があります。この部分は本来行政が関わるべきかどうか微妙な問題を含んでいますが、医療制度への信頼を回復させるためには、どうしても考えなくてはならない問題です。
民主党の政策集の医療政策の最初には、「大方針」とも言うべき政策が掲げられています。
******* 民主党の政策集から ********
国の責任で社会保障制度を維持発展
自公政権が「骨太の方針2006」で打ち出した社会保障費削減方針(年2200億円、5年間で1兆1000億円)は撤廃します。国民皆年金、国民皆保険を守り、求職者に対する新たなセーフティネットを構築します。
医療は提供する側と受ける側の協働作業です。各界・各層の代表の意見を幅広く聴取し、医療の抜本改革に関する目標と工程を定めた基本方針を策定、建議する会議体の枠組みと、政府が責任を持ってその実現を図る体制を確立します。
医療の安心・納得・安全
患者・家族の立場に立って、医師・医療機関との意思疎通を円滑化する「医療対話仲介者(メディエーター)」を一定規模以上の医療機関に配置します。
医療機関には、患者・家族への診療経過の説明、死因究明の努力、医療事故発生時の調査委員会の設置を義務付けます。各都道府県に設置される医療安全支援センターが、院外調査チームによる調査や裁判外紛争処理事業者(第三者ADR)の紹介を行います。事故情報については、指定分析機関への届出義務をすべての医療機関に拡大し、分析や再発防止策の提言体制を強化します。以上を柱とした「医療における患者の尊厳を保障し、安全・納得を得られるための法律」を成立させます。
無過失補償制度の創設
医事紛争の早期解決を図るため、すべての公的保険医療機関、薬局、介護施設で発生した医療等事故事例全般を対象に、公的な無過失補償制度を創設します。補償原資は保険料、健康保険料、公的支出とし、制度運営のための基金を創設します。
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最初の項目には、方向性は掲げられている物の、具体策が何もありません。好意的に見れば、これから国家戦略局で具体化に向けたプロセスが作成されるもののひとつなのでしょうか。
二項目は、非常に難しい問題をはらんでいると思います。医療事故が発生した時に病院内に事故調査委員会があっても、「病院の責任を逃れるための結論を出すための委員会」になってしまう危険が高いからです。現実に、医療事故で裁判に負けたり泣き寝入りをせざるを得なくなった多くの被害者が、強制力を持った第三者機関の必要性を述べています。医療機関は「あまり厳しくなると、当たり障りのない治療しかできなくなる」として、こうした外部の調査に対して反対していますが、こうした問題を処理できないと民主党の掲げている政策は絵に描いたモチになってしまうでしょう。
また、無過失保障制度自体は、ある種の効果が期待できます。しかし、その制度があることで医療機関の責任が曖昧になってしまわないように十分な配慮が求められます。
******* 民主党の政策集から ************
後期高齢者医療制度の廃止と医療保険の一元化
後期高齢者医療制度は廃止し、廃止に伴う国民健康保険の財政負担増は国が支援します。国民健康保険の地域間の格差を是正します。国民健康保険、被用者保険などの負担の不公平を是正します。
被用者保険と国民健康保険を段階的に統合し、将来、地域医療保険として、医療保険制度の一元的運用を図り、国民皆保険制度を守ります。
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医療制度については、最初に明確な原則を打ち出す必要があると思います。現状の保健医療制度がこのままでは破綻することがハッキリしているからです。
これまで厚生/厚労省がやってきたことは、「問題点の隠蔽」と「問題の先送り」でした。先送りをするためにつぎつぎと医療制度に絆創膏を当てて、本質的な部分を無原則に先送りしてきたのです。これは、「前任者の行なったことを引き継ぐ」「官僚は間違いを犯さない」「在任中は問題を起こさない」という体質にどっぷり浸かった、官僚機構の特質でもあります。そのために、嘘で塗り固めた説明を行ない、いかにして国民を「騙す」かに腐心してきたのです。
企業の健康保険に加入している人はみなさん驚かれるのですが、国民健康保険(と介護保険)の保険料は、収入が多ければ(といってもたかだか500万ほどですが・・・)年額にして60万以上になります。これだけのお金を毎年払っていても、果たしてこの先医療保険制度がきちんと運用されていくのかどうかは不安だらけです。歳をとって今のような収入がなくなった時に、これだけ払ってきた保険料に見合う補償が受けられるのかどうか、なんとも頼りない限りなのです。
医療保険制度の制度設計は、国民の不安が一層されるようなものになる必要があります。年金と共通する問題ですが、小手先の制度改正で何とかなるものではありません。民主党の政策集に書かれていることは、実際には何も言っていないに等しい状態です。これがどのような具体策になるのか、じっくりと見守りたいと思います。
その他の「医者の増員」「有効活用」「勤務医の環境改善」などは、あらゆる手段を用いて行なうべきことでしょう。しかし、こうした医師の働くための環境整備の他にも、医師の偏在や不足が起こっている原因をなくすためには、開業医と勤務医の役割分担の明確化が必要です。
私は都内の住宅地に住んでいますが、最寄りのJRの駅までの10分強の大通りには、開業医が11軒あります(大通りから少し入ったところまで合わせれば15軒以上になります)。11年前に引っ越してきた時には6軒でした。その後、内科2、整形外科、皮膚科、リハビリ科が中心の病院が5軒もできたのです。近くにはマンションが若干増え、住民も少し増えてはいるのですが、それにしてもほぼ倍になるような状況ではありません。もちろん、どこの医者も千客万来、というわけではないのです。どの病院もとてもきれいで、かなりの額の設備投資をしていることがうかがわれます。
医者が足りないと言われて久しいのですが、一方でこうした現状もあるのです。
また「医薬分業」についても考える必要があります。11軒の医者全部にかかったわけではありませんが、古くからやっている2軒の開業医(内科、内科と皮膚科)では、薬は病院で処方されます。大通りには調剤薬局が4軒(少し入ったところまで合わせれば7軒)もあるのに、です。そしてその病院で処方される薬にはもちろんジェネリックはありません。それどころか、今時珍しい薬を処方されることもあります。(どちらの医院もマンションを持っていたり大きな家が裏にあったりします。必死に闘っている勤務医の話を聞くと、このギャップに驚きます。)
こうした例がこの地域に特殊なものだとは思えません。納めた保険料がどのように使われているかを考えるとき、こうした実例を見ていると「うーん」と考えてしまいます。
民主党は今回、各地で「医師会の反乱」で票を増やしました。民主党が掲げる「公平な」制度を創るためには、これまでの既得権益にメスを入れなくてはならないケースもでてきます。これが可能かどうかが、民主党の政策が実効性のあるものになるかどうかのひとつの試金石です。
次は、介護の問題です。
********* 民主党政策集から **********
良質な介護を可能とするマンパワーの充実
良質な介護サービスの確保のため、事業者に対する介護報酬を7%加算し、介護労働者の賃金を月4万円程度引き上げます。これは自己負担や保険料アップにつながらない方法で行います。介護の現場では、2009年4月より介護報酬が3%引き上げられましたが、介護労働者の賃金引き上げには至らず、労働者の賃金が低く抑えられたままとなっており、労働条件の悪化と深刻な人手不足が常態化しています。
ホームヘルパー・介護福祉士など介護スタッフの増員、専門性を高める施策を講じ、介護支援専門員(ケアマネジャー)の介護報酬を引上げるとともに、権限と裁量を増やし独立性を高めつつ、最低限の事務量となるようデスクワークの軽減策を講じます。
また、要介護認定が軽く出るのではないかという不安が高まっている新たな要介護認定基準についても、介護サービスの削減につながらないように高齢者の生活実態、要介護者のニーズがより適切に反映されるよう認定の見直しを行い、介護が必要な人が安心して必要なサービスを受けられるようにします。
介護サービス基盤の拡充
療養病床を削減する介護療養病床再編計画を中止し、介護の場から追い出されたり、長い間入所待ちを余議なくされたりしないよう、将来にわたって必要な病床数を確保します。地域における各種病床間・施設間の連携を促進し、適切な医療・介護提供体制を再構築します。また、約40万人の施設入所の待機者を解消するため、現行の施設整備計画の約3倍のスピードで、質の高いグループホームをはじめ、特別養護老人ホームや老人保健施設、地域の実情に応じた小規模多機能施設を増設します。介護保険制度は国民の共同連帯の理念によって成り立つものであり、家族介護だけに負担を強いるのではなく、介護を必要とする人に良質なサービスを提供できるよう介護基盤整備を拡充します。
家族等介護者に対する実態調査と社会的支援
介護労働者の処遇改善、社会的地位の向上、家族介護者の負担を軽減するための社会的支援のあり方等を改善するため、早急に実態調査を実施します。小泉政権の下で、社会保障費の削減を意図して介護報酬が切り下げられたため、介護労働者の賃金が抑制され、離職者が増加、老老介護、家族介護の増大など、看過できない深刻な事態が生じています。介護保険法が施行され10年以上経過した今、このような危機的な状況を打開し、将来において持続可能で安定した制度となるよう真の介護の社会化を目指した介護保険制度の抜本改革に取り組みます。
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昨年11月のエントリー「2兆円は介護報酬の引き上げに使え!」でも取り上げましたが、介護現場の重労働低収入は目を覆うばかりです。介護労働者の人手不足(これは介護士にもあてはまります)は、基本的にはこの「低収入」が原因です。使命感を持って介護現場に入ったものの、とても家族を養うことができる所得にはならず、やむなく転職してしまう例も後を絶ちません。介護現場で働く人たちが誇りを持てる水準の給与が保障されることがどうしても必要であると考えます。
また、小泉・竹中路線で現実になった「要介護老人の施設からの追い出し」に対しては、緊急に対策をとる必要があります。政策集でも方向性は語られています。これを実現するための具体的な財源や方法論がどのように出されてくるのか、見守る必要があると思います。
介護制度を十分に機能させるためには、社会の意識が大きく転換しなくてはなりません。自民党や自公連立政権が進めてきた「お金があれば充分な介護が受けられる」という方向を、「福祉に重きを置く」という意識に帰る必要があるのです。そのための負担をどのようにするか、国民全体が納得できるような方法は決してあり得ないので、民主党がどのような方向性を打ち出してくるかが注目されます。
********* 民主党政策集より **********
障害者自立支援法を廃止し、新たに障がい者総合福祉法を制定
わが国の障がい者施策を総合的かつ集中的に改革し、国連障害者権利条約の批准に必要な国内法の整備を行うために、内閣に「障がい者制度改革推進本部」を設置します。推進本部には、障がい当事者、有識者を含む委員会を設け、政策立案段階から障がい当事者が参画するようにします。そして、障がい者施策に関するモニタリング機関の設置、障がい者差別を禁止する法制度の構築、障がい者虐待を防止する法制度の確立、政治・選挙への参加の一層の確保、司法に係る手続における支援の拡充、インクルーシブ(共に生き共に学ぶ)教育への転換、所得の保障、移動の自由の権利保障、障がい者への医療支援の見直し、難病対策の法制化など障がい者が権利主体であることを明確にして、自己決定・自己選択の原則が保障されるよう制度改革を立案します。
障がい者等が当たり前に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる社会を目指します。障害者自立支援法により、利用料の負担増で障がい者の自立した生活が妨げられてしまったことから、福祉施策については、発達障害、高次脳機能障害、難病、内部障害なども対象として制度の谷間をなくすこと、障がい福祉サービスの利用者負担を応能負担とすること、サービス支給決定制度の見直しなどを行い、障害者自立支援法に代わる「障がい者総合福祉法(仮称)」を制定します。
また、障がい者福祉予算を拡充し、中小企業を含め障がい者雇用を促進します。精神障害者を中心とした社会的入院患者の社会復帰と地域生活の実現に向けて関連法制度の整備等を進めます。
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障がい者に対する政策は、自公連立政権の性格をよく表しました。なかでも、障がい者の授産施設に受益者負担の原則を持ち込んだ障害者自立支援法は、自民党と公明党が押し進めてきた「福祉」政策の本質を表しています(「2008年を振り返る2」(7)弱者イジメの本格的な始まり)。こうした政策を改めることは当然だと言えるでしょう。
障がい者との「共生」は長い間のテーマです。30年くらい前までは、障がい者を「隔離」することが主流で、共生を目指す障がい者の運動は困難を極めました。社会が少しずつ変化し、バリアフリーなども当たり前になってきたことは確かですが、まだまだ障がい者に対する偏見や差別はなくなっていません。
障がい者総合福祉法が、障がい者を「可哀想な人」として扱うことなく、しっかりした理念を持って創られるのであれば、心から応援しようと思います。
********* 政策集から ***********
生活保護制度の充実
生活保護制度は、わが国のすべての社会保障制度における最後のセーフティネットであり、国は憲法で保障されている「健康で文化的な最低限の生活」の水準を確保する責任があります。生活保護給付の生活扶助については、健康で文化的な生活を維持するため、安易な引き下げは行いません。
また、生活保護を受けているひとり親世帯に対して給付されていた母子加算が2009年4月に廃止されましたが、ひとり親家庭の子どもが安心して暮らせるよう、母子加算を復活させます。生活保護制度の見直しにあたっては、自立支援や就労支援の拡充、無年金者の発生を防止するための公的年金制度改革などと合わせ、セーフティネットとしての機能を確保します。
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「友愛」「命」を掲げる鳩山政権が、お金の論理で動くのではなく「血の通った政治」が実現できるかどうかが問われるひとつの試金石が、障がい者政策と生活保護政策です。官僚が机の上で決めた論理に従った政策が、多くの生活保護世帯を窮地に追いやってきました。
生活保護世帯は、いかなる理由があっても車を所有することができず、貯金も許されません。爪に灯をともすようにして貯めた子どもの預金が原因で給付を打ち切られた例すらあります。「健康で文化的な生活」(ああ、何と懐かしい言葉であることか。朝日訴訟の最高裁判決のようなデタラメ判決しか下せない最高裁を持つ不幸な国民は政治に期待するしかないのです)が何を意味するのか、実際の運用まで含めた検討が必要です。
また、ケースワーカーの教育、増員も急務です。ケースワーカーが抱える生活保護世帯が急速に増大しているにもかかわらず、ケースワーカーはほとんど増員されていません。「公務員は多すぎる」という声に圧倒されていて、本当に必要な公務員が不足しているのです。こうした現状をなんとかしないと、生活保護制度の充実などできるはずがありません。
マンパワーの問題は、単純にお金を投入すれば良いというわけにいかない点でやっかいです。ケースワーカーや介護職、看護士や医師など、よく話題になっている分野だけでなく、製造業や鉄道などの運輸部門でも「技術の伝承」ができなくなっている現状が取り上げられることが多くなりました。これは、所得のいびつさが大きな原因のひとつです。こうした「大きな背景」もしっかり分析した上で、生活保護制度という「最後の砦」が有効に機能するような方策を考えてほしいと思います。
この他の問題については割愛しますが、障がい者や失業者、生活保護世帯やホームレスなどへの対策には、これまでの活動で蓄積された民間の団体の「経験」と「知恵」の有効利用が不可欠です。この点にも十分に留意してほしいと思います。
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